• ボルネオオランウータンのジプシー

    ジプシーはボルネオ島生まれ。1958年、推定3歳のときに日本にやってきました。4人の娘を産み、現在日本にいるボルネオオランウータン32頭のうち16頭がジプシーの子や孫たちです。ジプシーは日本のオランウータン繁殖の礎を築きました。


    相手の考えを察して誰に対してもおだやかに接することで知られ、菩薩様のような心のやさしい素敵なオランウータンでした。 ジプシーには、心温まるエピソードがたくさんありました。


    仲間のオランウータンも、私たち来園者も彼女が大好きでした。

     

  • 『ジプシーの森』ができました!

    キナバタンガン川流域に1.5ヘクタールの土地を獲得

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    2021年2月18日更新

     

    新型コロナウイルスの影響で現地の活動にも遅れが出ていたものの、2020年10月から2021年1月にかけて土地の獲得作業に進捗があり、ジプシーの名前をつけた1.5ヘクタールの熱帯雨林「ジプシーの森」を獲得することができました!証書も無事に発行されました。

     

    獲得地の詳細は、ボルネオ保全トラスト・ジャパンのウェブサイトよりご確認いただけます。

     

    ジプシーの森はキナバタンガン川中流にあるビリット地区にあります。付近は村民による土地の開発がいまでも少しずつ進み、森はプランテーションに転換され続けています。プランテーション開発は現地村民の生活状況を改善するための行動ですから一概に非難ばかりすることはできませんが、このままではさらに開発が進み、いずれ広い範囲で熱帯雨林がかいばつされてしまう可能性もあります。

     

    プランテーションと近い距離にある熱帯雨林ですが、緑の回廊プロジェクトにとって必要であるという判断され、今回の獲得に至りました。

     

    みなさまからのご支援がこうしてひとつのかたちになったことを本当に嬉しく思います。ご協力いただいたすべてのみなさま、応援してくださったみなさまのおかげです。本当にありがとうございました。

     

  • 『ジプシーの森』をつくりたい

    代表者のメッセージ

  • ジプシーは、私にとってあこがれでした。私は誰よりも彼女を尊敬し、彼女のようなおばあちゃんになりたいと思っています。

     

    ジプシーは多摩動物公園を訪れた人たちを癒し、オランウータンがどんなに複雑で素晴らしい能力を持った動物であるかを教えてくれました。

     

    ジプシーが亡くなり、私たちに残してくれたものがいかに大きかったかを感じた時、彼女にお礼がしたい、恩返しをしようと思いたち、そのためにはどうしたら良いかを考えました。

     

    ジプシーの故郷であるボルネオ島は、東南アジアにある世界で3番目に大きな島で、マレーシア、インドネシア、ブルネイ、3カ国の領土です。1年を通じて高温多湿で熱帯雨林におおわれ、世界でもっとも多様な生き物たちが暮らす地域のひとつです。

     

    今、ボルネオ島の森林破壊が急速に進んでいます。ポテトチップスやカップラーメン、洗剤などに使われているパーム油をとるためのアブラヤシプランテーションをつくるのに熱帯雨林がどんどん伐採されています。わずか40年ほどの間に、数千万年ものあいだ手つかずだった原生林の40%以上が失われたそうです。野生動物たちはすみかを追われて数が減り、生物多様性も失われつつあります。

     

    ボルネオ島の北東部を流れるキナバタンガン川流域にはボルネオオランウータンやボルネオゾウ、テングザルを代表とする固有種・希少種が暮らしています。彼らのすみかも大半はアブラヤシプランテーションになってしまい、流域沿いにはわずかな保護区・保存林が残るだけとなってしまいました。

  • 私は、ジプシーを通してボルネオ島の現状も知りました。

     

    そして思いついたのが、認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパンが行なっている「緑の回廊プロジェクト」の一環としてボルネオ島に「ジプシーの森」をつくることでした。ジプシーの名前を冠した森を未来に残してジプシーの仲間たちが安心して暮らせるようにすること、動物と人間が共に暮らせる希望の持てる未来へとつないでいくことが、私たちにたくさんのものをもたらしてくれたジプシーへの恩返しだと考えています。

     

    ご賛同をよろしくお願いいたします!

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  • 緑の回廊プロジェクトについて

    「緑の回廊プロジェクト」は、現地で生物多様性保全活動を行っている認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン(BCTJ)によるプロジェクトの1つで、キナバタンガン川沿いの保護区と保護区の間の土地を買い取ることで、アブラヤシ農園開発により分断された森をつなげようとするトラスト運動です。森と森がつながれば、そこに暮らす様々な生物種の個体数の回復や遺伝子の多様性保全につながります。

     

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    ボルネオ緑の回廊計画マップ

  • ジプシーの森ができるまで

  • BCTJ の緑の回廊プロジェクトでは、1区画分の支援金が集まれば、その区画に自由に森の名前を付けることが出来ます。土地価格や為替相場の変動によりますが、1区画(約2〜3ha)分の費用はおよそ200 万~ 250万円。今回は250万円での土地獲得を目標にしました。

     

    土地の獲得は、現地の法令により外国人は土地を購入する事が出来ないため、BCTJの姉妹団体である現地NGO「ボルネオ保全トラスト」が土地調査〜交渉・手続き〜管理まで担っています。ただ土地探し〜獲得にいたるまで多くの手順を踏まなければならず、諸手続きが完了するまで半年から1年といった長い時間がかかります。

     

    土地獲得までの進捗状況は、ホームページにて随時お知らせします。

     

    また緑の回廊プロジェクトは、獲得した土地がまとまってきたあかつきには、将来はサバ州政府機関が管理する「野生生物保護区」に転換することを目標としています。

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  • ご支援の方法

    1. ボルネオ保全トラスト・ジャパン【緑の回廊基金】口座に振り込む

     

    郵便振替口座

    加入者名 ボルネオ緑の回廊基金
    口座番号 00160-9-595712

    銀行振込口座

    銀行名  みずほ銀行 品川支店
    口座   普通 1315067
    名義   特定非営利活動法人ボルネオ保全トラストジャパン
    フリガナ トクヒ)ボルネオホゼントラストジャパン

     

    *銀行振込の場合は、BCTJのウェブページ銀行からのお振り込み・ゆうちょからの払い込みの「寄付振込・払込登録フォーム」のメッセージ欄に「ジプシーの森」と記入ありがとうございました。今後とも「ボルネオ緑の回廊」をよろしくお願いします。

     

    2. 多摩動物公園オランウータン舎に募金箱を2年間設置していただきました。ご支援ありがとうございました。

     

     

    3. その他イベントにおける募金をありがとうございました。

           

     

     

     

     

    支援総額:2,887,135円(2020年6月30日 現在)

    目標金額:2,500,000円

    募集期間:~2020年3月31日

     

    ※「ボルネオ島にジプシーの森をつくろう」にご賛同、ご支援をいただきまして本当にありがとうございます。ジプシーさんのふるさとボルネオ島にジプシーの名を残したい、森をつないでボルネオ島の生き物たちの命を守りたいと、BCTJ 緑の回廊プロジェクト1区画(約3ha)分250万円を目標にプロジェクトを行ってきました。


    多くの皆さまのご支援をいただき、2020年3月31日の締め切りまでに目標金額を大きく上回ることができました。ジプシーさんを知っている方も亡くなってから知った方も、多くの方が「ボルネオ島にジプシーの森をつくろう」に思いを寄せてくださっていることをありがたく思い、感謝しております。

     

    「ボルネオ島にジプシーの森をつくろう」プロジェクトをジプシーの森獲得まで見守っていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

     

    2020年7月7日追記:現在、ジプシーの森獲得のための土地探しが現地で進んでいます。ボルネオ島でもコロナウイルス感染が広がっており、政府機関の活動停止や州間移動の制限などが発生し業務に遅延が生じていますが、引き続き現地団体と協力してジプシーの名を冠した森を残すための活動を進めてまいります。

  • 発起人

    代表 小俣 三佳子 

     

       神山裕則  埼玉県環境アドバイザー

       増塩弘隆  元埼玉県小学校教員

       西川昭三  川口植物の会 会長